NPO法人CIL だんないの様子

だんないとは

障害ってなんだろう?

障害のとらえ方には「社会モデル」と「医学モデル」という2つの考え方があります。
社会モデルとは、障害の原因は社会の環境にあるという考え方です。
一方で医学モデルは障害の原因をその人自身に押し付けようとする考え方です。

例えば電車に乗れないとします。
その理由を社会モデルでは駅やお店にエレベーターやスロープが設置されていないなど、社会環境の問題とします。一方、医学モデルでは足が動かない、目が見えないなどその人の身体的な問題となります。
私たちは社会モデルの考え方に立って、社会を変えて障害をなくしていくことの大切さを世の中に発信しています。

だんないの社会モデル
だんないの医学モデル

だんないに込める思い

法人名である「だんない」は湖北・湖東地域の方言です。この言葉には、「できなくても大丈夫」「心配しなくても大丈夫」という意味合いがあります。また、「段(だん)が無い(ない)」、つまり敷居がなく、いつでも行き来ができる場所にしたい、そんな思いを込めています。

障害者が、難なく地域で自立生活できるようにしたいという願いを持っています。そのためには、ヘルパー派遣事業所を増やし、必要なときにサービスを受けられるようにしなければなりません。また、地域に根付いている障害は異常というイメージを転換させる必要があります。
そのほかにも、この地域で自立生活をするために必要なサービスや活動が、まだまだあります。それらを、だんないの活動を通して充実させていきたいと思います。「だんない」では、現在の社会は医学モデルに偏りやすい傾向があると考えています。医学モデルの社会は多くの人々が生きづらい社会であるので、この状況をすべての人が生きやすい社会モデルの考え方へ変革していきたいと思うのです。

湖北・湖東地域には、独特な人間関係の深さ、ゆったりした時間の流れがあります。焦りや苦しみを感じているときに「だんないがな、ぼちぼち行こうや」と隣から聞こえる、そんな地域です。

ところが社会に目を向けると、どれだけ生産できたか、どれだけ速くできたかということが問われています。つまり、「やったこと」に対して価値を見出すのです。私たちは、その価値の置き方を変え、「いること・あること」自体が価値であると考えたいのです。一般的な社会モデルに「だんない」の見方を取り入れた考え方が「だんない型社会モデル」なのです。「いること自体に価値がある」、そんな考え方が広まれば、みんながもっと安心して生きていけるはずです。

私たちは、あえて活動拠点を湖北地域にしました。それは、どんなに東京や大阪といった都市部ばかりが改善しても、田舎を含めた日本全体が変わらなければ意味は半減すると思ったからです。田舎の地域だからこそ、このような団体は必要であり、求められていると思います。

ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いします。

だんない代表 美濃部 裕道

(代表)美濃部 裕道

「CILだんない」は2010年12月に滋賀県の湖北地域で設立いたしました。どんなに重い障害があっても地域での自立生活を保障したいという願いがあります。最近、頑張っていないと世間から取り残される風潮が一段と強まってきているように感じます。その中で、私たち障害者は生きづらさを、身をもって実感しています。皆さんは、その生きづらさを感じていませんか?またその生きづらさを誰かに話されていますか?もし、話す相手がいない、違う人に聞いてほしいという方がおられたら、ぜひだんないにお越しください。決して、我慢しすぎず、頑張りすぎないようにしてください。まずは、電話・メールをお待ちしています。